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雨が降り注ぐ近代都市を、重武装の神姫が滑るように移動していた。 その神姫は背中のブースターを全開にし、その巨躯からは想像もつかないほどの速度でビルの谷間を翔ける。 その姿は・・・神姫と言うよりは・・・・一体の機動兵器の様だった。 「・・・・・・・・目標確認、破壊、する」 機動兵器の彼女は小声でそう呟く。元々声の大きい方ではないからだ。 『うん。なかなか調子がいいじゃないか。ブレードよりもこう言う兵器系に向いてしまったのはなんとも皮肉なもんだが・・・・まぁいいか。それよりもノワール』 「なに」 『今日一日の感想はどうだい?』 「・・・・・それを・・・どうして・・・・聞くの?」 ノワールはそういいながらビルの陰から現れたターゲットを破壊する。 右手のライフルの残弾は・・・・残り僅か。 『どうしても何も、ハウはもう寝てるしサラに聞くわけにもいくまい。私達が見たのは暗闇で何か話していた二人だけだ』 「・・・・・・・・・・・」 彼女の主の言葉を無視しマグチェンジ。 その間も左手に装備したライフルは火を吹き続けている。 『おぉっと。わからないという返答はなしだよ? 具体的な意見を聞くまでは、このトライアルは終わらないし終わってもその武装は使わせてあげませんからね?』 多分、クレイドルで寝ている自分の傍にはニヤニヤ笑った主がいるのだろう。ノワールはそう思った。 意地が悪い。 「・・・・多分・・・二人・・・好き合った・・・・でも・・・・」 ・・・・でも、なんだろう? 何か違うような、そうでないような。そんな感じがする。 『・・・・ふむ。つまり微妙な状態なわけだな』 とうとう右手のライフルの残弾がなくなった。 ノワールはライフルを捨てると、左手のライフルを右手に持ち返る。 そのまま空いた左腕で、近くまで来ていたターゲットを殴った。ターゲットはよろめき、その隙にライフルで止めを刺す。 それと同時にアラームが鳴り響き、ノルマをクリアした事を知らせた。 『ん? 随分と早いな。もう二百体倒したのか。・・・・・AC武装は物凄い相性がいいな。メインこれで行こうか』 「ヤー、マイスター」 * クラブハンド・フォートブラッグ * 第十九話 『出現、白衣のお姉さま』 「ちょっと! 何で起こしてくれなかったのよ!! 遅刻確定じゃない!!」 「そうは言われましても。何度も起こしたのですが・・・・まさかハバネロが効かないくらいに眠りが深いとは」 「どおりで口の中がひりひりするわけね! 毎度の事ながらあんたには手加減って言葉が無いの!?」 「――――――わたしは相手に対し手加減はしない。それが相手に対する礼儀と言うものなのです」 「無駄に格好いい!? あんたいつからそんなハードボイルドになったの!?」 「時の流れは速い・・・というわけでハルナ。わたしと話すより急いだ方がいいのでは?」 「あんたに正論言われるとムカつくのはなぜかしらね・・・・?」 朝、目が覚めたときにはもう八時を過ぎていた。 普段私を起こすのはサラの役目だけどさ。流石にこういうときは起こしに来てよお母さん・・・・・・。 大急ぎで制服に袖を通し、スカートのファスナーを上げる。 筆箱は・・・あぁもう!! 「何か学校行くのがだるくなってきた・・・・休もうかしら」 私がそういうと、サラが驚いた顔で見つめてきた。 え、なに? 「・・・・珍しいですね。普段なら遅刻してでも行ってたのに。と言うか無遅刻無欠席じゃないですか。行ったほうがいいのでは?」 「ん・・・でも何か面倒になっちゃってね。・・・別にいいじゃない。たまには無断欠席も。それに・・・・・」 学校には、八谷がいる。 昨日の今日でどんな顔をしたらいいのか判らない。 お互いにはっきり言葉にしなかったとはいえ・・・・OKしちゃったわけだし。 「うん、決めた。今日はサボる。サボって神姫センター行って遊びましょう!」 「・・・・・まぁ、別にいいですけれども」 そうして辿り着いた神姫センターには、当たり前と言うかなんと言うかあんまり人がいなかった。 まぁ月曜日だし午前中だし。来ているのは自営業さんか私みたいなサボり位だろうけど。 それでも高校生と思しき集団がバトルしてたのは驚いた。まぁ多分同類だと思うけど。 ・・・・でも強いな。あのアイゼンとか言うストラーフ。 砂漠なら・・・勝てる、かも? 「それにしてもなんだか新鮮ですね。人が少ない神姫センターというのも」 「平日はこんなものじゃない? 仕事や学校あるし。・・・・あぁでも最近は神姫預かる仕事も出来たんだっけ」 「そんな職業があるのですか。なんと言うか、実にスキマ産業的な・・・・所でハルナ、わたしは武装コーナーを見たいです」 私はサラの言葉に苦笑しながらも、センターに設けられた一角に向かって歩き出す。 このセンターは武装やら神姫本体やら色々揃ってたりするので結構お気に入りだ。筐体もリアルバトル用とVRバトル用の二種類を完備してるし。 とりあえず売り場についた私はサラを机に乗せ、商品を自由に見せて回る。・・・・買うつもりは無いのよ。 そうこうしているとサラが一挺の拳銃のカタログを持ってきた。 「ハルナ、このハンドガンなんてどうでしょうか」 「・・・いや、そういうの良く判らないんだけど」 「なんと!! ハルナはこの芸術品を知らないと!? このマウザーは世界初にして世界最古のオートマティックハンドガンなのです。マガジンをグリップ内部ではなく機関部の前方に配置しているのが特徴でグリップはその特徴的な形から『箒の柄』の異名で呼ばれています。かつては禿鷹と呼ばれた賞金稼ぎ、リリィ・サルバターナや白い天使と呼ばれたアンリが使用した銃として有名ですね。さらにこの銃、グリップパネル以外にネジを一本も使用しないというパズルのような計算しつくされた構造を持っておりこの無骨な中に存在するたおやかな美しさが今もマニアの心を魅了し続けて ―――――――――――」 「あ、この服可愛いー。でもレディアントはサラに合わないかな」 「ひ、人の話を聞いていないッ!? そして何故ハルナではなくこのわたしがこんなに悔しいのですかっ!?」 ふふん。ささやかな復讐なのよ。 「でもさ、だったらそんなへんてこな銃じゃなくてこっちの馬鹿でかい方が強いんじゃないの?」 「ぬ・・・わたしのツッコミを無視して話の流を戻すとは。いつの間にそんな高等技術を・・・・それはともかく、確かに威力が多きければ強いと言えなくもないですね。でもそのM500は対人・対神姫用としては明らかにオーバーパワーです。リボルバーですから装弾数も期待できませんし」 「ふぅん。数ばらまけないのはきついわね」 威力だけじゃ勝てないってことか。 サラのマニアックな説明はそもそも理解する気が無いけれど、戦闘に関してはさすが武装神姫。私よりも知識が多い。 ・・・うん、この後バトルでもしてみようかしら。 どうせ暇だし、作戦を立てたり実力を図る意味でもバトルはしたいし。 「ねぇサラ。この後さ ――――――」 「ん? こんなところで何をやってるんだお前」 と、サラに話しかけようとしたら逆に後ろから誰かに話かけられた。 振り向くと・・・・そこにはなぜか白衣を着たお姉ちゃんが立っていた。胸ポケットにはノワールちゃんだけが入っている。 「え、何で白衣?」 「第一声がそれかね。これはバイトの仕事着だよ。それよりもお前、何でこんなとこいるんだ? サボりか」 「え、えと・・・・それはですね・・・なんと言うか」 まずいことになった。 そういえばここら辺はお姉ちゃんのテリトリーだったっけ。 ここで見つかってお母さんに告げ口されたら・・・・! 「ん・・・あぁ別に怒ってるわけじゃないんだよ。サボりなら私もよくやったさ。仲のいい三人組で遊びまわったもんだ」 そういってお姉ちゃんは笑った。 よかった。告げ口されたらどうしようかと。 「そっか・・・・そういえばハウちゃんはどうしたの? ノワールちゃんだけだけど」 「アイツは定期健診。今神姫用医務室にいるよ。それよりも、暇だったら一戦やらないか? 今バイトの方も暇だしな」 お姉ちゃんはサラの方をチラリと見ながらそう言った。 サラがどうかしなのだろうか。 「うん、いいよ。それじゃ筐体の方へいこう。・・・サラ、おいで」 「承知です」 断る理由の無い私達はお姉ちゃんの誘いに乗った。 戻る進む
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姉さまは強い 槙縞ランカーには、その神姫本来の属性を外れた武装を使う者が多いが、その中でも姉さまはある種格別だ 姉さまは強力な武器を使わない 本来ストラーフはパワードアームやパワードレッグを使った白兵戦が強力なタイプだろう・・・が、姉さまがそれらを使っているのを見た事は無い 武器セットや改造装備の中からでも、姉さまは拳銃やナイフ等、普通に手動で操作出来る簡単な武器しか、使っているのを私は見た事が無い 常に自分の価値観での格好良さを第一に武装をコーディネイトして出撃し、遊びながらでも必ず勝って帰ってくる 姉さまは私にとって、マスターである以外に憧憬の対象でもあった だから、使わない本当の理由を、考えた事は無かった 「使わない」のではなくて「使えない」のかも知れない等と、考えた事も無かった 第拾壱幕 「MAD SKY」 ばらばらと、私の周りに無数の武器が現れ、あるものは転がり、あるものは闘技場の床に突き刺さる マスターが戦闘に参加出来無い以上、サイドボードを利用するにはこういった形で、バトル開始時に一斉転送してもらうか、戦闘中に私がマスターに指示するしかない だが、この『G』相手に後者のやり方では間に合わないと判断した私は、サイドボードのありったけの火器を一斉転送してもらう事にした 相手に使用される危険性がある以上、普通なら誰もやらないだろうが・・・ 「・・・!!」 案の定、出現した武器には目もくれず一直線に此方に走って来る『G』 それだけ自分の闘法に自信があるのか、それとも ・・・・単に『使えない』のか・・・・ 兎に角、ジグザグに武器の丘を走り回りながら、手に付いた火器を打ち込む事にする こういう手合いには先手必勝・・・だ 『仁竜』の大刀を素手で粉砕した以上、白兵戦になったら多分勝ち目は無い ならば精度は落ちようとも、弾幕で削り殺す!! 唸る短機関銃、榴弾砲、ライフル、機関銃 半ば喰らいながらかわされる、爆風をかえって跳躍力に加算される、僅かに装備した装甲でいなされる、マント(私のと同じ防弾か!)で防がれる 無茶苦茶だ!動きは全く出鱈目だし、それ程速くも無いが、『G』は自身の身を削りながらも、私の全ての攻撃を回避している 否、違う 奴が回避してるんじゃない 私が怯えているからだ・・・心のどこかで、こんな攻撃で奴は死なないんじゃないかと思って怯えているからっっ・・・! 爆風を切り裂いて、殆ど満身創痍の姿に見える『G』が私の懐に入って来ている 「・・・あ」 「ひとつ」 鈍い音がした 「いやああああああぁぁぁぁぁぁぁ姉さま------------っ!!」 びっくりする程の声・・・絶望の片鱗を感じた時、人は叫ぶ 神姫は人の真似をする様に作られた だから彼女も叫んでいる その精巧な絶望を感じている心がプログラムされたものであろうとも プログラムされたものであろうとも「心」は「心」だ 席を立つ 「もう見ないのですか?マスター」 「あぁ、もうけりは付いただろう。この試合を見る為に僕は来たからね・・・別に残りたいなら君の意思を尊重するけど」 「ならばマスター、この闘いはまだ終わっていない。見届けるべきだ」 「!?」 勝敗のコールは確かに行われていない 何よりも、大きく吹き飛ばされた『ニビル』に向かって『G』は走り出している 「馬鹿な・・・どうやってあの攻撃をしのいだんだ?『G』の攻撃は甲冑も貫くのだろう?」 「マスター自身が言ったではないか・・・ニビルの、『Gアーム』だ」 意識はあった バーチャルスペースの方に、である どうやらデッドの判定は下されなかった様だ どうも私は闘技場の壁面に埋まっている状態らしい 体の状態は・・・ (片脚が・・・無い・・・!?) 恐ろしいパワーだ・・・武装神姫の細腕では装甲を付けていてももたないと踏んで、ヒットポイントをずらしてかつ脚で受けたのだが・・・ 太股の辺りに残骸を残しつつ、私の右脚は見事に砕け散っていた。ついでに横腹にも痛みがある・・・明らかに衝撃でボディスーツが引き千切れていた まだ動けるなら闘おうとも思っていたが、これでは死んでいないだけで、戦闘は不可能に近い 普通こういう状況になったらジャッジングマシンが私の敗北を宣言するのでは無いか・・・?と、思考は迫り来る破砕音で途切れた 「ふたつ」 粉砕される瓦礫と共に、再び大きく外に放り出される 床に叩き付けられ、呻く・・・だが今はその痛みについて考えている場合ではない (やっぱり・・・数えている?) なるべく攻撃の手を控えているのは、一撃必殺に誇りがあるからでは無いのではないか? あのパンチの速さと威力ならば、私の銃撃の幾つかは拳で迎撃出来た筈だ(余りにも想像したくない光景だが、多分可能だろう) だがそれをせず、危なっかしい方法で回避した (しかも数えている・・・という事は) 結論はひとつ、彼女の『Gアーム』は私のそれと同様に、使用回数制限があるのだ ならば、勝ち目はあるかもしれない ただ 問題となるのは その勝利を手に入れる為には恐らくもう私には たったひとつの手段しか残されていない事 この闘いは 多くの代償を支払ってまで 勝つ必要のある闘いだろうか? 『G』が迫る 私には・・・ 『そうよヌル。準決勝で会いましょ』 理由は、それで充分だった 「マスター!残りのサイドボードを一式、送って下さい!!」 いつもそれを、サイドボードに入れてはいた(ただ、そもそも私は、サイドボードを使って闘う事自体が初めてだったのだが) だがその装備を、私は封印していた 理由は簡単 その装備を使うと危険である事が、私のオーバーロード、「ゴールドアイ」の「代償」だからだ マスターは、知っている 私がこのオーバーロードを入手した時に、神姫体付けの拡張装備を使用すると、神経系が破損してゆく体になってしまった事を マスターは、知らない 残りのサイドボードとは即ち、“サバーカ”、“チーグル”、DTリアユニットplus + GA4アーム・・・まさにその体付けパーツである事を・・・! 電撃を受けたような衝撃が、私の体を貫いた 「結果、出ました」 「で、どうだった?」 暗い部屋でパソコンのモニタに向かっていた男が振り返る 逆光で、本当におぞましい怪物か何かに見えた 「実質上の未来予知が可能な『ゴールドアイ』の前には、いかな『ジェノサイドナックル』とて無意味です。『ニビル』の勝利に終わりました」 事務的な口調で応える・・・この男の前では彼女はいつもそうしていた 「ニビルは『ゴールドアイ』を使ったのだな?」 ねちこく、重ねて男は問うた。満足のいく応えに対し、数瞬自らの考えに沈み、すぐに口の端が吊り上る 「ククククク・・・ふはっはっはっは・・・・・・!ならば良い!これで少なくともあの筺体は、現状で望み得る最良の蟲毒壺としての状態になったわけだ!フハハハハハ!!」 「闘うがいい!木偶人形ども!俺の・・・俺の『G』の為に!!!」 高笑いと独り言を繰り返す男を見ながら、キャロラインは拳を硬く握り締めた 剣は紅い花の誇り 前へ 次へ
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[部分編集] カービン もともとは馬上で使用する軽量なライフルの事。現在では室内等で使いやすい短くされたライフルをこう呼ぶ。ただし明確な定義はない。ライトガンカテゴリーのイーダ型の武装。ライフルとハンドガンがあるので選ぶ時は注意。 ガイア ヴァルハラのトップに君臨している(いた?)神姫マスター。専用シルエットのオーラ(?)により独特の雰囲気をかもし出している。その厨二病溢れる言動から色々とネタにされ、「大地さん」と親しまれて(?)いる。かっこいい専用戦闘BGMがあるが、イベント戦でしか聞けない。相方はストラーフMk.2のハーデス。説明では他人の大事なものを壊すことが好きなS(意訳)とあるが、むしろただの戦闘狂という方が近い。とりあえずチューブステージでCHIKARAはやめて下さい。 楽器 打撃武器の一種なのだが、このゲームのルールにおいて弱い要素が揃っているためどうにも使うのが難しい。ちなみに打撃に使用する割に何故か打楽器はない。もちろん楽器は本来武器ではないが、ゲーム等では武器として登場することがたまにある。なお、DLCで登場する武器パラボナソナー"マポノス"は楽器カテゴリの武器では楽器の形状はしておらず、純粋な兵器の形状である。補足:ベイビーラズは公式に打楽器を持っているが、ドラムセット本体はリアパーツ、スティックはダブルナイフ扱いであり、パーカッションは通常頭に付けているためか武装ですらない。 勝ち組 何かの要素で勝っているとされる者達の事。男性ならば身長・財力・ルックスなどだったりするが、女の子ばかりな神姫においては一部パーツの大きさで決まると言われる。バトマスでは一般的にイー姉、レーネ、アーク、紗羅檀、オールベルンあたりが勝ち組と呼ばれる。一方で負け組とされる神姫については記述を避けるが、おおむね指摘するとムキになるのが負け組だとい(ここから先は何かで汚れていて読めない)勝ち組側は大抵その事に自覚が無く、「大きくてもそんなにいいことないんだけどなぁ」といった発言が飛び出すことが多い。…ある奴と無い奴の溝は何よりも深く昏いのである。ちなみに、神姫の場合胸パーツは換装できるが、やっぱりそういったパーツは需要があるのか和津香のような悲劇を産むことになったりも…。 滑腔砲 戦車などの大砲で砲身内に砲弾を回転させる旋条がないもの。より高速で砲弾を発射したり、回転すると効果が落ちるタイプの砲弾を発射するのに使う。神姫では、フォートブラッグのリア装備、FB1.2mm滑腔砲がこれにあたる。神姫の装備では、なぜかバズーカ扱いである。対して、砲身内に施条を切って砲弾を回転させる砲をライフル砲(施条=ライフリング)と呼び、こちらは回転することで砲弾の飛行が安定するので、より命中率を求めるタイプの砲弾用の砲となる。 ガトリング ガトリング砲。100年以上前に発明された機関銃。多銃身がリング状に配置されていることが特徴で、複数の銃身を回転させる事で装填、発射、排莢のサイクルを自動で繰り返しつつ連続射撃を行うことを可能とした。手持ち式ガトリングは単銃身で連続射撃が可能かつ軽量の機関銃の登場で一気に廃れたが、同じ数の弾丸を発射した場合銃身が複数ある分だけ銃身へのストレスが減るため発射サイクルを上げても銃身寿命が長い、万一不発弾などの不具合が生じても滞りなく次弾を発射できる等の利点があり、現在では重量が大きいことより動作不良が問題になる航空機搭載機関砲や艦船のCIWSに採用されている。なお、初期は手動式だったが、現在は電動等が用いられる。ちょっと使いにくい武装だがRA「T・ARMS」を入手するとつい使っちゃうんだ。 ガブ/ガブ子 ガブリーヌの俗称の一つ。 ガブリーヌ パンドア製神姫、ヘルハウンド型ガブリーヌ。前作DL神姫でシナリオは第7号にて実装される。自分は地獄から来た、と主張するが、同期の蓮華には「地獄の駄犬」呼ばわりされていた。グラ姐未登場の本作においては、唯一の褐色肌神姫である。 金朋地獄 蓮華の中の人、金田朋子嬢の言動が、あまりにハチャメチャで聞いた者の腹筋を破壊する上に抜け出せなくなる中毒性を持つところから付けられたもの。既に固有魔法の域に達しているとも。バトマスのプレイ動画でも、蓮華が取り上げられると、もれなく金朋地獄のタグが付けられている。今から蓮華のシナリオが実装される日が心配楽しみである。←DLC第5号にて実装。予想通りの金朋地獄が堪能できましたw余談だが、本人のブログ名が「カネトモ地獄 早起きは三文の毒」であり、ある意味公認の言葉である。 キシマさん プロキシマの俗称の一つ。 キメラ キメラ装備とも。複数の動物の混ざった姿をした神話の合成獣キメラを語源とし、転じて神姫各々の純正装備以外の武装を一つでも装備した状態を指す。見た目の整合性やキャラクター性より、よりストレスなく嫁神姫を操作できることを重視したアセンブルスタイル。しかし実際アビリティの補完、戦闘スタイルの自由度確保のため、アクセサリーと武器については何がしか純正以外のものを装備しているプレイヤーがほとんどで、暗黙のうちにアクセサリーと武器に限っては何を装備していてもキメラではないと見なされている。また、固有RAを使用できる純正武装だけでコストを使い切ることはまずないので、空いている部位に追加の武装を施す「純正+α」のアセンブルもごく普通に行われる事である。対戦の際にはこのあたりについてどうするか確認しよう。ぶっちゃけ完全純正以外のアセンブルがアリかナシかで全く別のゲームになる。古くは神姫のゲームがバトロンのみだった時代からある単語で、性能重視で外見がすごいこと(全身ハリネズミのようにブースターがついているなど)になっている神姫が主にこう呼ばれた。キメラの名はそのような外見も関係していたのかもしれない。バトロンでは最終的に武装がまったく同じで素体だけ違う神姫ばかりという状態になったこともあり、「(性能的)個性がなくなる」という事実から「キメラ」を否定的に考えている層も少なくない。しかし武装神姫はもともと公式に組み替え遊びを是としている玩具であり、組み替えの自由がある。結局は「他所は他所、ウチはウチ」の精神が大切ということだろう。また、先の経緯からキメラという呼び方を蔑称として使う人、受け取る人も少なからず居るので空気を読む事も忘れずに。 キャッキャウフフ 一般的には「じゃれあう様子」をさし、神姫とイチャコラする意味で使われる。「キャッキャウフフ」と半角で記載することが通例である。 旧黒子 初代ストラーフの俗称の一つ。ストラーフMk.2と区別するための呼び名。 旧白子 初代アーンヴァルの俗称の一つ。アーンヴァルMk.2と区別するための呼び名。 牛丼/ぎゅうどん/ギュウドン/ギュウドン 戦乙女型アルトレーネの事。バトルロンドやバトルマスターズにおいても、ぎゅうどん会話ネタがついてきたため。 キュクノス ドレス・メカニカ製神姫、白鳥型キュクノス。鴉型アラストールと同じく、コナミが2011年にイベントと通販のみで発売した神姫で、武装部分はレジンキャストになっており、素体はMMS NAKEDを用いる。彼女の登場のために、ガレージキット版で白鳥・黒鳥と呼ばれていたオールベルンが剣士型にされたと勘違いされ、一部のファンからあらぬ恨みを買う羽目になっていたりする。(実際にはオールベルンが「剣士型」として製品化が発表されたワンダーフェスティバル後の飲み会で製作が決まったため、無関係と思われる。また、オールベルンガーネット・ジールベルンサファイアもほぼ同時に発表されており、そちらの影響とも考えられる)アラストールと同様に、武装セットのみがDLC第7号にて実装される。オールベルンにキュクノスのリアを組み合わせ、「白鳥型オールベルン」を再現した紳士も多いのではないだろうか?戦力面でも、オールベルンの純正装備にキュクノスのリアを組み合わせると空中移動系のアビリティが全て揃う(急上昇・急降下、空中ダッシュが追加)ので、悪い組み合わせではない。 強化ミミック ストーリー終盤とクリア後のMAPにてエンカウントするミミックの強化型。SPDとDEFの初期値がずば抜けており、他の部分の数値も素体中で高い部類である・・・が、このゲームではSPDの値が反映される上限がある。また出現の条件を考えると自神姫も十分に強くなっている為、あまりミミックと大差なく感じるかもしれない。ただし、ジャスティスやミミックを育てているときには、Love1だろうと、外に出ると強化ミミックが襲ってくるので、そこだけは注意されたし。 グラフィオス マジックマーケット製神姫、サソリ型グラフィオス。素体未登場だが武器(レサートロッドシステム等)だけ登場。AIは非常に好戦的な性格付けがなされており、「悪の組織の女幹部」や「魔王」などと称される性格の持ち主。ことバトルに関してはマスターに対しても高圧的にふるまうことも。イーアネイラ並の豊満ボディに、胸部装甲とサイハイソックス以外は紋様を描いただけの実質裸という抜群の露出度を誇り、美少女型が大多数を占める神姫達の中で他にイーアネイラ型、プロキシマ型くらいしか居ない美女型。加えて他にはガブリーヌ型しかいない褐色肌であるなど希少性要素のオンパレード。選択肢を広げる意味でも、バトマスにも登場して欲しかった。武装の殆どがリアに集中しているのが特徴。また武装を組み合わせてサソリ型ビーグルメカ「ウィリデ」に変形させることも可能。更に複数の神姫の武装を合体させるシステムに対応し、同時期に開発されたウェスペリオーと互いの武装を合体させることで、大型ドラゴン型メカ「ゼオ」を作り出せる。そのためフィギュアのプレイバリューは非常に高い。このロマン溢れる複数の神姫の武装を合体させるシステムを持つ神姫は、グラフィオス ウェスペリオーの「ゼオ」の他に寅型ティグリース 丑型ウィトゥルースの「真鬼王」 「ファストオーガ」とカブト型ランサメント クワガタ型エスパディアの「ヘラクレス」がいるが、残念ながらバトマスには一切登場しない。 クラブヴァルハラ メインストーリー中盤以降に登場する非公式バトルを行っている賭博場。名の由来は北欧神話において決戦のときに備え戦士達の魂を集める宮殿ヴァルハラ。勝てば相手の武装を手に入れ、負ければ武装を剥奪される。ここにしか出てこないマスターもいる。登場時点では非合法な場所のはずなのだが、ゲームセンターで見かける面々がホイホイ出入りしていたり、違法改造が横行している割に敵の戦闘能力に差異はないなどあまり緊張感はない。浄化後はそれに拍車がかかる。tipsにもあるが問題なのは現金による賭博と神姫の違法改造であり、ここでの神姫バトル自体は違法ではないため安心してほしい。一部マスターが、賭け金がどうのこうのと呟いていることがあるが、聞かなかったことにするのが大人の対応である。柴田君の武器がピコピコハンマーだけになっている。もうやめて、柴田君の使える武器はゼロよ! グループケーツー 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつ。フブキのメーカー。長らくシンボルマークが不明だったが、フブキ弐型 ミズキ弐型のマーキングに、縦に並んだKKを図案化したものがあり、これがグループケーツーのシンボルマークと思われる。 クレイドル 神姫の充電に使われる充電器。主人公の部屋にはクレイドルが1個しか確認されていないため、34体以上の神姫をどうやって充電しているのやら…。主に人間でいう寝床のような形で利用するものらしい…が、アークのイベントではどう聞いても押し込んでいる。なお、同イベントの話を聞くと、どうやら一つのクレイドルを使い回している様子だが、さて…。コナミスタイルで通販グッズとして販売もされたりするが、こちらは無論神姫の充電機能は付いていない。代わりと言ってはなんだが、USBに差すとランプ部分が光る。…ただ、それだけである。 黒子 悪魔型ストラーフの俗称の一つ。今作ではストラーフMk.2も含む。 黒にー 悪魔型ストラーフMk.2の俗称の一つ。黒=ストラーフ にー=Mk.2(に)。間違っても黒いニーソックスの略ではないぞ。大体誇り高いストラーフがそんな装備など…、あー、ど、どうしてもというのなら、その…ゴニョゴニョ 黒星紅白 アフォンソファクトリー製のエストリルとジルリバーズの素体部分を手掛けたデザイナー。代表作はキノの旅やサモンナイトなど。エストリル・ジルリバーズ発表時に降臨した本人のコメントによるとペロリストらしい。 軽白子 天使コマンド型ウェルクストラの俗称の一つ。「軽」なのはライトアーマーシリーズのため。ちなみにヴァローナはこの法則からだと「軽黒子」だが、モチーフからか夢魔子と呼ばれることの方が多い。 ゲイルスケイグル(EX) アルトレーネ専用レールアクション。前作では当てにくいレールアクションの代名詞だったが、今作では威力共に大幅な改善をみられた。が、槍の向きが逆なのはアルトレーネ型のいつもの事だったりする。バトロンではちゃんとした向きで投げるのにどうしてこうなった。ちなみに名前は北欧神話に登場するワルキューレの一人の名前からで、「槍の戦」の意味。 ゲームセンター 娯楽施設。他の神姫オーナーたちと神姫バトルを行う場所。子供からお年寄りまでが利用しているが、神姫上級者も多く訪れるようで、普通の人はちょっと入りずらい雰囲気を醸し出しているような気がしないでもない。。ツガルによると主人公が的確に変人を選んで戦っているだけらしいが…あるいは単に主人公の周囲に濃い人が集まりやすいだけなのかもしれない。隣町にもゲーセンがあり、筐体からレイアウトまでまったく同じようだ。全国展開なのだろうか。ちなみに、画面を見るかぎりレースゲームらしきものが見え、他にも紗羅檀のシナリオでリズムゲーム(「神姫が乗って足で遊べる」ということから、恐らくbeatmaniaIIDXだと思われる)が置いてある事が分かっている。 ケモテック 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつで、ハウリン・マオチャオなどのメーカー。名前通り主に動物を題材にした神姫を取り扱っており、会社のシンボルマークも動物の顔を図案化したもの、と徹底している。神姫デザイナーBLADEのデザイン神姫はほぼここ。 誤爆は神姫名うp スレで誤爆してしまったときは、自分の神姫達につけた名前をうpしなければならないというバトルマスターズ神姫スレの鉄の掟。元々はおもちゃ板の武装神姫スレの鉄の掟「誤爆は神姫(の写真)うp」から。 コナ☆スタ コナミの通販サイト「コナミスタイル」の事。表記の「☆」は略称の語感が某アニメに似るため。武装神姫の限定商品などを取り扱っていたりする。特に地方在住の武装紳士にとって、一般流通しないリペイント版神姫を入手するほぼ唯一の手段でもある。クリアファイル等の「コナスタ限定の」オマケがついてくることも多い。価格は基本的に定価販売(ごくたまにセールをするが、ほぼ瞬殺される)。値段は気にしないが確実に欲しいという場合、ここで予約するのも手だろう。 固有RA 各神姫に特定の武装を施した状態でのみ使用可能になる専用RA、および特定ライバルが使用してくる特殊RAのこと。神姫専用RAにはランク3~5武装を使う通常版(1体のみ例外)と、ランク6~7武装を使うEX版がある。基本的に数を撃ってこその射撃系RAはスキあらば発射できる通常版のほうが使い勝手が良いが武装が貧弱になるという問題があり、EX版はライドマックス状態でしか使えないため出したいときほど使えない。武装も含めて性能はピンキリ。だがやはり、トドメはこれで締めたい。 コンマイ コナミの蔑称あるいは愛称。“KONAMI”をローマ字入力する際、"KONMAI”と打ってしまうことが少なくないことから。またあるアーケードゲームでコナミ自らが誤植してしまったこともある。
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入手条件 性格 声優 機体解説 性能プラス補正アビリティ マイナス補正アビリティ ライドレシオMAX時の上昇能力 イベント EXカラー 専用レールアクション用GC装備所持者 入手条件 F3大会優勝後に届く挑戦メール「タケルからの挑戦状」を確認後、ゲームセンターに登場する 「タケル」に勝利するとアルトレーネと共にショップに追加される。試合内容は1on2のハンデ戦。 (上記挑戦者が出現し勝利していない場合はF2大会終了後、ゲームセンターから消える) 勝利していない場合、F2大会に優勝することでもショップに追加される。 性格 やや扱いづらい ボクっ子 自身の性能に自信を持つがゆえに、マスターには何かと不安を見せ色々と指南を繰り広げる 小生意気でちょっと世話焼きな神姫。 声優 水橋かおり 機体解説 名称:戦乙女型MMSアルトアイネス メーカー 素体:Dione Corporation 武装:Arms in Pocket 型番:DI/AIP-001X2 2038年に開催されたコンテスト「ぼくらの神姫」(一般から武装神姫のアイデアを募集、競うもの)受賞作を元に ディオーネコーポレーションとアームズ・イン・ポケット社が共同開発した「アルトレーネ」(DI/AIP-001X1)の姉妹機。 本機はスモールボディならではの敏捷さを利用したバトルスタイルが特徴で立体的な戦術を得意とする。 機体各所に配置された強化クリスタルアーマー内にはそれぞれ小型コンデンサを内蔵。副腕部、脚部などへ独立した パワー供給が可能となり大柄なアーマーにもかかわらず高い機動力を獲得している。また特徴的なスカートアーマーは 展開して格闘用武器、変形して高機動用ウイングへと転用できる多用途なユニットとなっており、優れた攻守のバランスを 実現している。加えて頭部にはアルトレーネとは別タイプのバイザーを装備、脆弱になりがちなフェイス部の防御力を高めている。 性能的には申し分ないが性格の面ではやや扱い難いところもあり、マスターを選ぶ神姫と言えるだろう。 性能 能力値 LP SP ATK DEF DEX SPD BST 適正 S C A B B B B プラス補正アビリティ 攻撃力+1,LP+1 マイナス補正アビリティ SP-1 ライドレシオMAX時の上昇能力 防御力,武器エネルギー回復速度,スピード イベント +ネタバレ 発生条件 イベント名 備考 初勝利後 ニヤニヤしてる? Love4:ゲーセン勝利後 フルオープン Love7:自宅 カノジョいないの? Love10:ゲーセン勝利後 気になるブログ Love11:ゲーセン勝利後 丁寧な返答 Love12:ゲーセン勝利後 初対面 Love15:ゲーセン勝利後 デートに誘え 「バトルに誘う」を選択した場合バトル有(ロッテンマイヤー 小山田愛佳)敗北でも進行するが、勝利すれば称号(禍福の証)入手 『デートに誘え』終了ゲーセン勝利後 ファーストデート Love18:ゲーセン勝利後 セカンドデート Love20:ゲーセン勝利後 最後のデート EXカラー A.蒼髪(デフォルト) +ネタバレ B.金髪 C.紫髪 専用レールアクション用GC装備所持者 植場怜太 陰陽熊
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武装神姫のリン 第12,5話「進化の予兆」 これは俺とリンが小さな挑戦者を迎える前日の話である。 「う~ん……これはダメか」 「ダメですねぇ」 「じゃあ、こっちは?」 「コレもちょっと違和感が…」 「あーーー これで終わりか……」 俺とリンは戦闘スタイル、技に変化をつけるべくエルゴに行ったのだが、良いものが無く結局流通向けの神姫向け装備のカタログに目を通しきってしまった… 「だめかな??」 店長が話しかけてくる。 このエルゴの品ぞろえの豊富さ(数もさることながら厳選されていて、かつ比較的リーズナブルな品)を持ってさえ解決のしようが無い。 今回のお目当ては「空戦装備」 セカンドリーグともなると空を飛べないというストラーフでは当たり前のことでさえ戦闘での不安要素になってしまう。 例えばホーミングミサイルを次々と避けるのはステップだけではどうしても限界がある。 結果、ミサイルや射撃武器を扱う「やり手」が相手の場合は5割の確率でこっちが距離を詰める前に結構なダメージを負ってしまう。 なので思い切って飛行できるパーツを追加しようと思ったんだけど…カタログにはリンの好みに合うパーツが無かった。 アーンヴァルのユニットは直線方向には絶大な推進力を誇るがどうしてもユニットが大きめになるうえ、熟練しない限り小回りは期待できない。 今までのリンのスタイルはレッグユニットのばねを生かしたステップや宙返りなどで敵を翻弄する戦い方だ。 だから空戦でも膨大な推進力が必要なわけではなく、どちらかというとジャンプを補助する瞬間的な加速だ。 なので既存のパーツでは条件に合うものが無いという現状だ。 まあ個人ディーラー系なら条件に見合ったパーツも見つかるかもしれないが、高価だし破損時の保証が無い。 保障があれば格安で修理してもらえるが、保証がないと修理でも新品の6割ほどのお金が掛かる。これはリーグで闘う上で重要だった。 「う~んなかなか無いものだね~ 普通にコレをいれば見つかると思ったんだけど…」 店長もあきらめムードだった。 俺も朝から何時間もカタログとにらめっこを続けていたためか、結構肩がこってたりする。 まあそこは今リンがほぐしてくれてるんだけど 「今回はあきらめて改めてネットで情報収集してはいかがですか?」 肩のコリをひざた足を使ってほぐしながらリンが提案する。 「まあ、しょうがないか…」 そうしてエルゴを後にした。 とソコに電話が。表示を見ると係長と出ている。今日は休みなんだけどな。と思いつつ通話ボタンを押した。 「はい、藤堂です。」 「お、今日は早いな。」 「用件はなんでしょうか?」 「ああ、先日君が契約を取り付けた会社なんだが、君の提案したユニット内部のパーツだけじゃなくて神姫の装備品販売も視野に入れているとことらしい。で近々もう1度君と話をしたいそうだ」 「そうですか…分かりました。どうも」 何気なく電話を切りそうになったが俺はそこでピンと来た。 「あ、すみませんけどあちらさんの会社の方がいまそっちにいたりするんでしょうかね?」 「ああ、電話じゃなくて直接ウチの来てくれたよ。で君が休みでちょっと落胆してるな」 「分かりました30分ほどで行きますので、すみませんがよろしくお願いします」 「おい、来るのか? 仕事熱心だねぇ わかった伝えておくよ」 いそいで電話を切ると俺はリンを連れて走り出した。 そうしてすぐさま家に帰って、スーパーに出かけてる茉莉とティアにメモを残し、スーツに着替えてリンにはフォーマルっぽい服を着せて愛車を駆って会社へ向かった。 高速を使って会社へは20分ほどで到着。 そして俺は取引先にあるプランを持ちかける。 それは「島田重工製MMSの強化ユニット販売」だった。 具体的にはアーンヴァルとストラーフに一番効果の出る強化ユニットを製造し島田重工のライセンスをもらって販売するというわけだ。 島田重工の承認があればかなり大規模な展開が可能である。たしかに承認を取り付けるのは難しいと思うができればそれは大きな力になる。 強化ユニットの案はかなりの数が頭の中にあった。 というのもバトルをはじめてからというもの、エルゴに行く前から量販店では必ずリンに合うパーツを探すことを日課としていたためだった。 まあ捜索の結果は毎回散々だったけど… この強化ユニットのプランを取引先も善処するということで今日は話を終えた。 その数日後、小さな挑戦者たちに初めて「烈空」を破られてしまった俺たちはトレーニングに励んでいた。 リンに向かって無数のミサイルが飛来する。 しかしリンは銃はおろかナイフ1本でさえ持っていない。 「そこ、バックステップから跳躍!」 「はい!」 「ランダムに連続ステップ!」 「!」 「そこだ、さいたまっは!!」 「ええぃい!!」 ディスプレイ上にはミサイルの着弾ギリギリから地面を滑るかの様に移動するリンの姿。ミサイルは誘導が切れて地面に着弾。次々と誘爆していった。 そうだ、次に俺たちが目指したのはあるアーケードゲームのテクニック。 その名も「さいたまっは」 詳しい説明は割愛しようw 現状の装備で敵のミサイル等の誘導の高い攻撃をできるだけ回避するために会得した技術だ。 まあこれはバーチャル限定なんだけど…セカンドなら通用すると思う。 そこに電話が、相手は取引先 「もしもし、藤堂ですが…」 「休暇中にいきなりですみません。」 「いえいえ、で話とは?」 「あの件なんですが…話はけっこうすんありと行きまして、島田重工さんはトライアルにあなたの神姫を使いたいそうです。」 「な、本当ですか?」 「はい、なんでも強化パーツは島田さん所でも近々プランを立ち上げようとしていた所だったらしいです。で強化のコンセプトもほぼ同じらしくトライアルで結果が出せれば藤堂さんのプランをそのまま採用するとのことです」 「分かりました、近く返答をしますと伝えてください」 俺は震えを押さえて電話を切った 「マスター?」 俺の様子を不思議に思ったリンが首をかしげる。 俺はそんなリンをいきなり抱きしめた。 「ちょっ、い、いきなりはダメですぅ」 「すまない、舞い上がっちゃって」 「で、なんだったんですか?」 「ああ、リンにも空が飛べるようになるって」 「本当ですか! でも飛ぶだけなら…」 「安心しろ。お前…というかストラーフに合った高機動型のユニットだ。」 「でもトライアルって」 「俺はリンのことを信じてる。お前も俺を信じてくれれば必ず結果は出るさ」 「マスター」 「明日からがんばるぞ!!」 「はい!」 そうして日が暮れていく中を俺はリン肩に乗せて歩く。 しかしそのパーツを別の場所で使うことになるとは、俺たちはそのときは全く考えもしなかったのだ。 燐の13 「進攻」
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第三話 「バトルフィールド・砂漠地帯。おーなーノミナサマハ神姫ヲすたんばいシテクダサイ」 ジャッジAIが無機質な声で会場の準備が整ったことを伝える。 神姫同士の戦い、すなわちバトルロンドは大きく分けてバーチャルバトルとリアルバトルの二種類がある。 バーチャルバトルは文字通り「仮想現実空間でのバトル」で、常に最高の状態で戦えるのが特徴だ。 何より神姫が壊れることもない。ただし、バトル中に味わった恐怖をトラウマとしてそのまま引きずることもあるので一概に安全とは言えないが、これの普及も武装神姫がここまで流行った理由の一つである。 逆にリアルバトルではふつうに実弾が飛び交い、神姫も実際に損傷する。 しかし、こっちはこっちでバーチャルにはないスリルが楽しめる。 さらに、バトルの公正さを保つために個々の神姫にはランクというものが与えられている。 これは一定のポイントをためるとランクが上がるというモノで、勝てば成績に応じてポイントが与えられ、負ければその分相手に奪われる。さらに、格上の相手に勝てばたくさんポイントがもらえ、逆に格下に負けてしまった場合、最悪降格もあり得る。早い話が弱肉強食だ。 全部で五段階あり、上からプラチナ>ゴールド>シルバー>カッパー>ブロンズの順に低くなっていき、上に行けば行くほどリアルバトルが数を増してくる。 ちなみに優一のアカツキはシルバーランクの中堅どころをキープしている。 そしてスペックが異常な違法パーツや反則行為は厳しく規制するレギュレーションもそれに一役買っている。 しかし、中にはルールギリギリのヒールファイターもいるものである。 「アカツキ、危なくなったらギブアップもして良いぞ」 「「最後まで諦めるな」って教えたのはマスターでしょう?絶対勝ってきますよ」 「そう来なくっちゃな。それでこそ俺の神姫だ」 クレイドルのハッチが閉じられ、ロードが始まる。その間に優一は可能な限り情報を集めにかかった。 「障害物と呼べるのは岩場とサボテンくらい・・・、サバが地面に刺さっているのはギャグとして受け取っておこう。 とれるレンジは自ずと離れざるを得ないからアカツキにとっては有利だな」 そうこうしているうちに互いの神姫がバーチャル空間に転送されてきた。 アカツキはアーンヴァルのデフォルトである白い翼のようなフライトユニット・リアウィングAAU7を背中に、 左腕にはガードシールド、頭にはヘッドセンサー・アネーロ改を装備している。 これは天使コマンド型・ウェルクストラのデータをフィートバックした最新鋭モデルだ。 いや、アカツキ自身もアーンヴァルの上位機種である「アーンヴァルトランシェ2」と呼ばれるモデルだ。 当然性能も並のアーンヴァルのより少しは上である。 武装は右手に標準的なアサルトライフルを持ち、M4ライトセーバーを両腰のホルスターに収めている。 予備の武装であるLC3レーザーライフルと2種類のカロッテ、蓬莱壱式を改造したロケットランチャーとMVランスは まとめてサイドボードに格納されている。 対するジャンヌは漆黒の鎧に身を包んでいるが、装備している武器は火器ばかりだ。 あれでは完全にサイフォスの特徴を完全に殺してしまっている。 自分ならバランスのとれたヴァッフェバニーのバックパックにランスと二本の剣に加えて補助でサブマシンガンか、ハンドガンを1,2丁持たせる。 「バトルロンド、セットアップ。レディ・・・ゴー!!」 「さあジャンヌ、あの天使型の子を血祭りにあげておやり!!」 「イエス・マスター!」 試合開始のブザーが鳴ったと同時にジャンヌが全身の砲を一斉にぶっ放してきた。 「あの神姫、スポーツマンシップってモノが無いんですか?」 「神姫に罪は無い。それと避けないと木っ端微塵だぞ!」 「わかってますよもう!」 アカツキはアウターバーナーを噴かして急上昇し、辛うじて回避する。こうなると戦術は一つ。 「アカツキ、回避に専念しろ。レーザーライフルを使う」 「いきなりそれですか。」 「相手のウィークポイントに一撃当てたら接近戦だ。とはいえ、相手はサイフォスだから簡単には行かないかな」 「簡単に進むことほどショボイことはありませんて。」 「よく言った!」 優一はサイドボードの武装とメインボードの武装の入れ替えの準備を始めた。アカツキの右手にあったアサルトライフルがポリゴンの塊となって消滅し、代わりにアカツキの身長ほどはあろうかというLC3レーザーライフルが転送された。 「そんなモノ、出してきたところでムダですわ!ジャンヌ!!」 「イエス・マスター!」 ジャンヌは再び全身の火器を撃ってくる。今度は一撃必殺を狙った収束ではなく、けん制目的の拡散発射だ。 しかし、アカツキはこれらを紙一重でかわして行く。 「エネルギー充電完了、システムオールグリーン、ターゲットロックオン!いっけえええぇぇぇぇぇ!!」 腰だめに構えたレーザーライフルの砲口からプラズマ球が発生し、一拍おいて閃光が迸る。 それは真っ直ぐジャンヌへと向かい、彼女の体を包み込んでゆく。 そして照射が終わった頃にはジャンヌがいた場所は巨大なクレーターができあがっていた。 「やった?撃った?勝った?」 「お前はシーザーか。・・・?!いかん!!まだだ!!」 「え・・・きゃあ!!」 勝利を確信しかけたその次の瞬間、グレネードの一撃がリアウィングに着弾し、根元から折れてしまった。 その結果、揚力を失ったアカツキは落下するも、脚部のブースターを使って辛うじて着陸する。 「装備を・・・。マスターから授かった私の装備を・・・、許しませんわ!!」 「ぐふぅ!!」 ジャンヌのボディーブローが脇腹にクリーンヒットし、思わず膝を着くアカツキ。 そこへさらに彼女の顔に蹴りが入り、地面へと倒れ込んでしまう。 「誇り高き鶴畑の神姫たるこの私の装備だけでなく、あまつさえ五体の一つを奪うなど、 身の程知らずも甚だしい!その行為、万死に値しますわ!!」 そう言うとジャンヌはさっきのお返しだと言わんばかりにアカツキを足蹴にし始めた。 火器に誘爆したのか、確かに装甲や火器ははほとんど残っておらず、左前腕が無くなっている。 「そうよジャンヌ、この鶴畑和美に逆らった愚か者はどうなるか、観客に教えて差し上げなさい!」 「イエス・マスター!!」 「うっ、あぐっ、くはぁ!」 和美の指示を受けたジャンヌはアカツキをより一層痛めつける。 しかし、残された力を振り絞ってアカツキはジャンヌの脚をつかんだ。 「まだ抵抗する力が残っていましたの?ジャンヌ、トドメを」 「イエス・マスター!」 「まだ、終わっちゃいない!!」 一本残されたナイフをのど元に突き立てようとしたジャンヌめがけてバイザーに隠されたバルカン砲を放った。 人間で言えば豆鉄砲に当たるので、ダメージには至らないが、怯ませるのには十分だった。 「マスター、今です!MVランスを!!」 「いよっしゃ、受け取れ!!」 アカツキはリアウィングをパージし、転送されてきたMVランスを受け取ると、 少し距離を空けてからジャンヌめがけて突撃した。 「いっけえええええぇぇぇぇ!!」 「悪あがきですわね。ジャンヌ!!」 「イエス・マスター!!!」 ジャンヌも転送されてきたトライデントを手に取ると、アカツキに正面からぶつかっていった。 お互いの位置が入れ替わった。 アカツキは右腕を喪失したが、かわりにジャンヌの胸には深々とMVランスが突き刺さっていた。 「ばとるおーばー。Winner、アカツキ」 「マスター!私、勝ちましたよ!!」 「よくやったなぁアカツキ!!さすがだ!!」 クレイドルから出てきたアカツキは感極まって優一に飛びついた。 ところが、反対側から怒声が聞こえてきた。 「全く!!後一歩だったと言うのに、なんたる失態ですの!!ジャンヌ、それとそこのあなた!!今日の所は許してあげますが、次はこうも行きませんわよ!!!」 そう言うと和美は床を打ち鳴らさんばかりにがに股でその場を後にした。 「何ででしょう、一種の哀れみの感情が・・・」 「まあ、良い薬になっただろう。勝負の世界は勝ち続けるよりもある程度は負けを重ねた方が経験になるからな。それはそうとお疲れさんアカツキ。ちょうど昼時だし、うちに帰って焼きそばでも食うか」 「はい、それじゃあ具は豚コマとニンジンにタマネギ、味付けはソースも良いですけど、偶には酢醤油も悪くないですね」 「酢醤油とは・・・、意外と通だな」 「そんなこと無いですよもう!」 二人の絆は家族とも友人とも、恋人のそれともまた違ったモノがあった。 ~The END~ とっぷに戻る
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先頭ページへ 装備構成解説 マイティ超高速巡航装備 軽量飛行装備 機動戦闘装備 シエンATパイロットスーツ装備 クエンティン瞬間移動装置活用装備 マイティ 超高速巡航装備 頭部:ヘッドセンサー・アネーロ 胸部:FL012胸部アーマー 背部:リアウイングAAU7 エクステンドブースター×2 VLBNY1スラスター×2 ランディングギアAT3(補助スラスター付バージョン)×2 ポラーシュテルン・FATEシールド×2 VLNBY1増設ラジエーター VLBNY1携行小型タンク ぷちマスィーン・シロにゃん (GEモデルLC3レーザーライフル) 上腕部:VLNBY1腕部アーマー 下腕部:左/FL012ガードシールド、右/M4ライトセイバー 大腿部:VLNBY1脚部アーマー 脹脛部:VLNBY1収納ポケット 脛部:WFブーツ・タイプ・クレイグ 武装: スティレット短距離空対空ミサイル×4 カッツバルゲル長距離空対空ミサイル×2 STR6ミニガン、もしくはアルヴォPDW9 登場時期:「強敵」~「固執」、「ねここの飼い方、そのじゅうさん、後半」 対アラエル戦、クエンティン遭遇戦の序盤など、初期によく用いられた構成。まだ煮詰まっていない段階の、雛形とも呼べる構成が対ルーシー戦でも登場している。 ありったけの推進装備をリアウイングAAU7に取り付け、推力を一方向に向けることで絶大な加速と最高速度をたたき出すことができる。推進器の取り付け方には変遷があり、後になるほどパワーロスが少なくなる(写真は初期の配置)。装備も射程の長いものを中心に取りまとめ、特に最終段階で片翼に懸架していたLC3レーザーライフルの長時間照射は前方の目標掃討に効果が高い。 本装備はアーンヴァルのもともと持っている高速飛行性能をさらに特化させることに成功しているが、同時に欠点も倍化させてしまっている。小回りはもちろん利かず、片腕にライトセイバーを付けているとはいえ近接戦闘は原則ご法度。さらに推進設備を全てリアウイングに集中させているために、推進器がどれか一つでも損傷してしまうとたちまち全体バランスの低下を招き、戦闘力が大きく削がれてしまう。バトルにおいてどんなに性能の高い神姫といえど、一発も被弾せずに戦う、などというのはほとんど無理な話なのである。 良くも悪くもピーキーに着地する結果となり、これ以上の発展を見込めないと判断したマイティとマスターは、飛行能力というアーンヴァルの特性を生かしたまま、より戦闘に適応する装備構成を模索してゆくことになる。 試行錯誤の末、現在以下の二つの構成が登場している。なお、すべての装備にほぼ例外なく取り付けられているぷちマスィーン・シロにゃんは、主に装備の制御や索敵などを担ってマイティの負担を軽減する、いわばフライトオフィサーである。 軽量飛行装備 頭部:ヘッドセンサー・アネーロ(棘輪) 胸部:FL012胸部アーマー(争上衣、ぷちマスィーン・シロにゃん搭乗) 背部:白き翼 上腕部:VLBNY1収納ポケット(なし) 下腕部:M4ライトセイバー×2(FL012増設アーマー) 大腿部:ハグダンド・アーミーブレード(なし) 脛部:ランディングギアAT3(脚部機能停止のため排除) 武装: カロッテTMP (忍者刀・風花、ぷちマスィーン八体) ※( )内は「信念」における装備 登場時期:「固執」、「信念」、「ねここの飼い方、そのじゅうさん、後半」 もともと白き翼のテストのために考えられた構成で、翼の性能を最大限に生かすためかなりの軽装となっている。クエンティン遭遇戦においては「装備B」として、変更されたフィールドに対応するために登場した。また「信念」の対クエンティン戦においては、序盤はストラーフのリアユニット GAアーム、GAレッグを用いた陸戦特化装備であったが、戦闘中脚部機能が死んでしまったために脚部を丸ごと排除して本装備となった。その折もともとの素体装備は変更していないため、防御力重視の構成となっている。 軽快さを生かした格闘戦が得意であったが、性能的にどうしても中途半端にとどまってしまうくせがあり、メイン装備としてはほとんど使われていない。 機動戦闘装備 頭部:ヘッドセンサー・アネーロ 胸部:ホーリィアーマージャケット 背部:レインディアアームドユニット・タイプγ(基部) ハイパーエレクトロマグネティックランチャー×2 バインダー(リアウイングAAU7) ハグダンド・アーミーブレード ぷちマスィーン・シロにゃん 下腕部:M4ライトセイバー×2 脛部:ランディングギアAT3 FL012ガードシールド 推進器付主翼(リアウイングAAU7) 武装: アルヴォLP4ハンドガン カロッテP12 スティレット短距離空対空ミサイル×4(サイドボード供給により発射可能総数は60発以上) 登場時期:神姫たちの舞う空編 アーンヴァルの飛行特性を維持したまま、戦闘適応性を上げるために考案された構成。メインの推進力が背部ではなく、脚部に移行されているのが大きな特長。ヨーロッパの軍隊によく見られるデルタ翼戦闘機のようなシルエットとなっている。 超高速巡航装備と比べて推進力は低下したものの、全体的にコンパクトにまとまっている。そして主翼が360度回転可能で、マグネティックランチャーとバインダーが四つのスタビライザーの役目を果たし、デルタ翼でありながら「低速域における機動性と安定性が低い」という欠点をカバーできている。結果、戦闘機にはできない奇想天外なマニューバーが可能になっている。 なによりも、ホーリィアーマージャケットの小型スラスターやマグネティックランチャーの電磁浮遊推進システムなど、脚部以外のボディ全体に推進器を配することによって、多少の損傷でも戦闘が続行できる優秀なダメージコントロール性能を獲得できたことがこの装備の功績として大きい。 未知数の部分がまだまだ多いが、本編における今後の活躍が大いに期待できる装備構成である。 シエン ATパイロットスーツ装備 頭部:頭甲・咆皇 胸部:VLBNY1胸部アーマー 上腕部:VLBNY1腕部アーマー 下腕部:VLBNY1リストガード 腰部:KT36D1ドッグテイル 大腿部:VLBNY1脚部アーマー 脛部:WFブーツ・タイプ・クレイグ 武装: 十手 カロッテP12 モデルPHCハンドガン・ウズルイフ 登場時期:「バトリングクラブ」、神姫たちの舞う空編 非公式の「ボトムズin武装神姫バトル」において、クリムゾンヘッドに搭乗する際シエンがまとう装備。ヴァッフェシリーズのアーマーは衝撃吸収に長けながらかさばらないため、パイロットスーツとして最適であった。 緊急時の武装として十手や拳銃をコクピットに持ち込んでいる。 ちなみにクリムゾンヘッドの主武装はベルトリンク式に改造し装弾数を増やした咆莱一式である。 クエンティン 瞬間移動装置活用装備 頭部:フロストゥ・グフロートゥ 黒ぶちメガネ 胸部:胸甲・万武(ぷちマスィーン・壱号搭乗) 上腕部:フロストゥ・クレイン 下腕部:FL013スパイクアーマー01 腰部:VLBNY1腰部ベルト 大腿部:FL013スパイクアーマー02 脛部:WFブーツ・タイプ・クレイグ 武装: サイズ・オブ・ザ・グリムリーパー ぷちマスィーン・肆号 ぷちマスィーン・オレにゃん 登場時期:「固執」、「信念」 瞬間移動装置とは厳密には装置ではなく、バーチャルバトルアクセスシステムの隙を利用した高速移動方法であり、あたかも瞬間移動しているように見えるためそう呼ばれる。また本装置によって空中移動も可能である。クエンティンのオーナーである理音が考案しセカンドバーチャルバトルにて使用していた。本装備はその瞬間移動を最大限活用するための構成である。 頭部、上腕部のフロストゥブレード、および下腕部、大腿部のスパイクアーマーは可動し、四肢とあわせて動かすことで限定的ではあるが瞬間移動後のアクロバット機動や体勢安定のためのバインダーとして働く。 主武装がサイズ・オブ・ザ・グリムリーパーと二体のぷちマスィーンだけというやや心もとない内容だが、これは瞬間移動装置の構成上サイドボードに神姫本体を入れねばならないため、武装の容量が限られてしまうためである(開始時の武装を入れるメインボードは空であるが、アクセスポッドには神姫が入れられていないため、武装を入れてもシステム側から「装備不能」と判断されエラーが発生する。そのためメインボードは使用できない)。ただ、瞬間移動のアドバンテージが非常に大きいため、この武装だけで十分という見方もある。 その後どこからともなく(おそらくネットから)瞬間移動の方法が解析され数多くの神姫がこの方法を使用したが、ゲームバランス崩壊の兆しが見えたためにオフィシャル側によってバーチャルバトル空間アクセスルールが改正され、実質使用禁止となってしまった。 そのためクエンティンの本装備はおそらくもう見ることは無い。 先頭ページへ
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「先輩!イルカがこっちを向きましたよ」 「おー、かわいいなぁ。しってたか?イルカは睡眠をとるときに脳を半分ずつ寝かせているんだ」 「そうなんですか?理系としては興味深いですね」 「そのあたりは俺はサッパリだけどな・・・」 「・・・・・あ、次のショーが始まりますよ」 気まずくなって話題をそらす由佳里、その心遣いが優一には痛かった。 電車で小一時間ほどの距離にある水族館、その一角の一番広いスペースを占める大型プールで行われている、イルカのショーを二人は見物していた。 すると突然、イルカの一頭が大ジャンプして着水、大量の水飛沫が二人に降りかかる。 「のわっ!?」 「きゃぁ!!」 「はっちゃー、ビショ濡れだな。大丈夫か?」 「どうにか・・・」 優一は暗い色の服装のためか頭が濡れた以外目立った被害は無いが、由佳里の方は白いブラウス越しに下着が透けてしまっていた。 「・・・・とりあえずこれ、羽織っとくといいよ」 「はい・・・」 そう言って彼は紅くなりながら自分の半袖ジャケットを由佳里に手渡した。 -- 「フンガー!!!」 「お姉様落ち着いてください!」 「駄目だコリャ」 反対側の座席の一角、優一らが座っているちょうど反対側に八雲達がいた。 「だって、今もの凄く良い雰囲気だったでしょう!?」 「だから落ち着いてくださいって!」 怒りやら嫉妬やら負の感情で、アカツキは完全に我を失っていた。 「とにかく、見つかったら面倒だから、二人とも静かにしてくれよ・・・」 「『女の嫉妬は地獄の業火』、って言うでしょ。諦めなさいな」 頭を抱える八雲に追い打ちをかけるミコト。シラヌイは彼の気持ちが何となく判る気がした。 お天道様が南のど真ん中を通過する頃、イルカショーを見終えた二人は外のベンチで休憩を取っていた。 「えっと・・・・・・由佳里、今何時だ?腹減っちまった・・・」 「丁度十二時半ですね。実はお弁当、作って来たんですよ。先輩もどうですか?」 そう言うと由佳里は自分のバッグからゆうに五人分は有りそうな重箱を取り出したが、空腹感が既にピーク(優一の体はトコトン燃費が悪い)に達していた優一からしてみれば好都合だった。 「いよっしゃ。戴くとするかな」 「あhfhrkfじゃいおええかm!!」 「だから!いい加減にしてください!!」 一方、100メートルほど離れた植え込みの影では段々と手に負えなくなってきたアカツキをシラヌイが必死に止めようとしていた。 「手作り弁当とは・・・・やるな・・・・」 「同感」 「まさか、まさかまさかまさか、『君も食べちゃいたいよ』みたいな展開に・・・」 「「なるわけあるか!!」」 二人に気づかれない最大限の音量で突っ込むミコトとシラヌイ。いつもの敬語は何処へやら・・・。 「はふぁー」 ため息をつく八雲、辟易するのも無理は無いだろう。元来彼は他人の行動や言動を疑うことがない。よく言えば正直者、悪く言えば早とちり仕勝ちな人物だからだ。 「兎に角、二人とも後で黒崎に謝っとけよ」 気を取り直して八雲はアカツキとシラヌイに忠告すると、シラヌイは沈黙を持って了解としたが、アカツキから拒否の言葉が飛び出した。 「・・・・・・・・」 「嫌です!」 「へっ?」 「だって、私たちに相談せずに勝手に由佳里さんと出かけちゃったんですよ!後を付けない理由はありません!」 『私があの時シラを切っていればこんな事には・・・!』 内心、「しまった」と思うシラヌイ。自分の所為で優一に怪我をさせてしまったことに。 「兎にも角にも、ランチが済んだら・・・。否!今すぐにでも突撃です!!」 「あ、ちょっと!お姉様!!」 時既に遅し。どこにしまっていたのか、完全武装でアカツキは二人の元へ突貫していた。 「うん?ってえぇえ!?アカツキ!?なんでここに!?」 「マスタァアア!!覚悟ーーーー!!!」 「待て!!話せば判る!!」 「問答無用!!話す必要はありません!!!」 まるで何時ぞやに起きたクーデターを彷彿とさせるやり取りを交わしながら、数分ほど、一人と一体の一方的なドッグファイトが続いた。 ドッグファイトが終わって、悠一は肩で息をしながらアカツキ達に説明していた。 「ぜぇはっ、ぜぇはっ。だから、由佳里に誘われたって、言ってンだろ・・・!」 「だからと言って、隠し事をしていたことには変わらないじゃないですか!」 「あの・・・ごめんなさい、アカツキちゃん。私が、先輩を誘わなければ・・・・」 「そんな!由佳里さんが謝る事じゃ・・・。それに、悪いのはそれに鼻を伸ばして乗っかったマスターの方ですよ」 「だから、黙っていたのは悪かったって言ってるだろうが・・・」 「まあ、その位で良いんじゃないかな?彼にも事情が有ったって事で」 優一は内心「有り難い」と思ってしまった。八雲が間に入らなければ、延々と続いたであろう循環を止めてくれたことに。 「それはともかくとしておいて、久しぶりだな御名上。三年ぶりか?」 「ああ、二日前イギリスからね。本物のタワーブリッジはデカかった・・・」 「ミコトも連れているってことは・・・」 「そう!向こうでも、いや向こうだけでなく世界中で武装神姫は大人気さ!良い修行になったよ。・・・・・ヨーロッパチャンピオンには返り討ちにされたけど・・・」 「あれは別格だろ・・・。ともかく、今度一戦どうだ?留学に出るときは全然だったお前の腕前、どの程度か見たくなった」 「良いねぇ、それ。じゃあ、都合が付いたらすぐにでも連絡するよ」 「あいよ、またな。さてと、俺らも帰るとするかな?」 「マスター、まだ話は終わっていませんよ?」 「そ、そうだったな。はは・・・ははははは」 その後、優一が家路につくのは日も暮れかける時刻だったそうな。 その日の夜、優一達が寝静まった頃合いを見計らって、一つの影がムックリと起き上がると窓を開け、夜空へと飛び立って行った・・・。 第壱拾七話へ続く とっぷに戻る
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第2部 「ミッドナイトブルー」 第11話 「night-11」 2ヵ月後 西暦2041年 7月21日 15:00 『大阪府 大阪市 鶴見緑地センター店』 お昼の3時のチャイムが公園内に響く。 園内の噴水広場の軽食コーナー、そこでは多種多様な神姫とオーナーたちがお菓子を食べて雑談をしていた。 オーナー1「おい、知ってるか?昨日の夕方、出たらしいぜ」 オーナー2「出たって何が?」 天使型「例の都市伝説ですね」 剣士型「超音速の死神か・・・」 悪魔型「ええーーーほ、本当?」 オーナー3「ついにこの神姫センターにも、来たか」 種型「なんでも物凄い数の神姫が撃破されたらしい」 花型「ひゃーーー恐ろしい恐ろしい」 オーナー5「超音速の死神、あれって実在するのか?よくあるゴーストファイターだろ?」 雑談に花を咲かせるオーナーたち。 軽食コーナーの端でパラソルの下で老人と将棋を打っている黒い軍服を着た将校型神姫がぼつりとつぶやく。 ナターリャ「やれやれ、またなんとかの死神か」 アオイ「死神といえば、あいつを思い出しますねーナターリャ将軍」 ナターリャの将棋を観戦するアオイとツクヨミ。 ナターリャ「そいつの話はするな」 ツクヨミ「ちょっとトラウマって奴ですか?」 茶化すツクヨミ。 軽食コーナーの横の桟橋では航空母艦型のツラギが停泊し甲板を開放し中央では武装をはずして水着姿になった神姫たちがホースを掴んでキャッキャと水浴びして遊んでいる。 ツラギ「あーーあーー、最近なんか張り合いのある奴がいなくてつまんないですねーマスター」 でっぷりと太った金川がカメラを片手に水着姿の神姫を写真に収めて満足している。 金川「いやいやーこういう可愛い神姫たちのキャッキャウフフを愛でるのもいいもんだよ」 ツラギ「なにも私の甲板の上でやらなくても・・・」 金川「オマエの上だったらいろいろと遊び道具とかあるし、便利だろ!艦内にはシャワーもあるし!!」 ツラギ「そういうのに、空母型使わないでくださいよー」 パチン ナターリャ「チェックメイト・・・じゃなかった王手!」 ナターリャが将棋を心地よく打つ。 ナターリャ「うむ!将棋も悪くないな!!面白い!」 ナターリャの対戦相手でありオーナーである伊藤は満足そうなナターリャを見て微笑む。 伊藤「それはよかったですね。ナターリャー」 湖に灰色の数十隻の戦艦型神姫が着水する。 野木「やあ、みんなお久しぶり」 ラフな半そでのTシャツを着た野木が軽食コーナーに顔を出す。 金川「おおー野木ちゃんお久しぶりー」 立花「ノギッチ!キター」 衛山「おひさ」 野木「ナターリャ将軍、おひさ」 ナターリャ「うむ」 ナターリャは手をひらひらと振る。 野木「調子はどうだい?」 ナターリャ「まあまあ、かな?最近はとんと暇している」 アオイ「張り合いのある神姫がいないんだとよ」 野木「まあ、SSS級の将軍に合うようないい娘はなかなかそういないからね」 湖に着水した数十体の戦艦型神姫の灰色の巨体がまぶしく光る。 ナターリャ「灰色艦隊は、すべて復活したようだな」 野木「まあな、マキシマがバラバラになっていて完全に治すのに1ヶ月以上かかった」 マキシマがやれやれと肩をすくめる。 マキシマ「今度、やるときは指揮系統をしっかりとしてくれよ」 ナターリャ「今度か・・・」 ナターリャは遠い目をして湖を見る。 ナターリャ「そういえば、夜帝はどうしている?」 野木「夜帝か、あいつは心斎橋の神姫センターでちょくちょく見かけているって話だ」 2ヶ月前に行われた夜帝との激戦はネットにも動画が公開され、多くの話題を呼んだ。 今まで夜帝の存在はあまり公には知られておらず、都市伝説化していたが二日間にわたる連戦で、夜帝がたった1機で戦艦型神姫を9隻、航空母艦型1隻、艦載機10数機という完全武装の2個艦隊を撃滅したことは多くの神姫たちを震撼させた。 夜帝はナターリャの手によって敗れたが、帰ってその名声を轟かせたことになる。 ナターリャ「そうか・・・またあいつとチェスを、いや・・・神姫バトルをやってみたいな」 ナターリャは感慨深くそういうとパチンと将棋を打つ。 アオイ「神姫バトルって将軍は、基本他人のふんどしで戦うだけでしょwwww」 ナターリャ「・・・」 青筋を立ててナターリャはパチンと指を鳴らす。 アオイ「ちょ」 湖に停泊中の灰色艦隊がアオイに向かって砲塔を向ける。 マキシマ「艦砲射撃ッ!!撃ち方ァーー用意!!」 ヴィクトリア「アオイさんはいつも一言余計なんですよ・・・・」 ナターリャ「これが私のバトルスタイルだ。文句があるならいつもで受け付けるが?」 野木「将軍には誰も勝てないな」 ナターリャ「SSS級でも用意したまえ」 サソリ型「あのお・・・・」 おずおずと一体のサソリ型神姫がナターリャに声をかける。 サソリ型「この間から夕方の5時に超音速の死神って二つ名のSSS級ランカー神姫がこの神姫センターに現れて暴れまくっているのです・・・た、助けてください!ナターリャ将軍!」 野木「はあ?超音速の死神ってあの超音速ステルス戦闘機型MMS「クリスティ」のことかい!?」 野木は目を丸くしてサソリ型の声に耳を傾ける。 サソリ型「はあ、なんでも心斎橋の神姫センターにいたらしんですが、夜帝とテリトリーがかぶるからってこっちに流れてきて・・・ううう・・・もうすでに300機くらいの神姫が、仲間がやられているんですよ・・・」 野木はナターリャに声をかける。 野木「将軍!出番だぜ」 アオイ「おいおい、超音速の死神って・・・確か音速を超える超高速戦闘型の化け物じゃねえか!!」 ツクヨミ「うは、また化け物神姫かよ」 ツクヨミとアオイが唸る。 ナターリャ「ほほう、化け物退治というわけか」 ナターリャはすっと立ち上がり桟橋に停泊している航空母艦型MMSのツラギに声をかける。 ナターリャ「ツラギ!張り合いのある奴が出たぞ!仕留めに行くぞ!!今度は超音速の死神だ!!」 ツラギがきょとんとした顔でナターリャの顔を見る。 ツラギ「ちょ、超音速の死神!!?クリスティじゃないですか!!SSS級の化け物ォ!!」 桟橋にいた灰色艦隊の戦艦型神姫もざわめき出す。 ノザッパ「ひえええええええ!!音よりも速いあのスピード狂ですか!?」 マキシマ「へへっへ、上等じゃねえか」 ヴィクトリア「化け物神姫ですね」 そのとき、神姫センターの上空を真っ黒な槍のようなスマートなフォルムの航空神姫が空を切り裂くように飛び去った。 □超音速ステルス戦闘機型MMS 「クリスティ」 SSSクラス 二つ名「超音速の死神」 姿が見えて、数秒後にショックウェーブが軽食コーナーに巻き起こり、日傘のパラソルが衝撃波で吹き飛び、音が後から付いてくる。 ドゴゴオオオーーーン!!! ナターリャはにやりと笑う。となりにいたサソリ型が悲鳴を上げる。 サソリ型「で、出たァ!!!」 ナターリャ「ふん、あれが超音速の死神か、なるほど化け物神姫め」 アオイ「ひええええ!!お、音が後から来たぞ!」 ツラギ「レーダーに反応無し!!ステルス機だ!!」 ノザッパ「は、速い!!」 ナターリャ「ふはっはっはは!!この間のバトルはまだ続いているぞ!!あのランカー神姫は夜帝のシュヴァルに心斎橋神姫センターを追い出されてここに流れ着いたランカーだ!!俺たちが招いた因果だッ!!!!!!盛大に歓迎してやろうではないか!」 ナターリャは右手を超音速の死神に向ける。 ナターリャ「バトルロンドは戦いの旋律 終わらない戦いの旋律 さあ、私たちも旋律を奏でようではないか・・・」 西暦2041年 その世界ではロボットが日常的に存在し、さまざまな場面で活躍していた。 神姫、それは全高15センチほどのフィギュアロボットである。 :心と感情:を持ち、最も人々の近くにいる存在。 その神姫に人々は、思い思いの武器、装甲を装備させて、戦わせた。 名誉のために強さの証明のために・・・・・・・・・ 名も無き数多くの武装神姫たちの戦い 戦って戦い尽くした先には何があるのか バトルロンドは戦いの旋律 終わらない戦いの旋律 戦いの歴史は繰り返す いにしえの戦士のように 鉄と硝煙にまみれた戦場で 伊達衣装に身を包んだ神の姫たちの戦いが始まる。 第2部 「ミッドナイトブルー」 終わり
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前へ 神姫とは。 ある世界においては、全稼働型の美少女アクションフィギュアのことである。 神姫とは。 またある世界においては超高性能AIを搭載した、主人に従う心と感情を持つフィギュアロボットのことである。 神姫とは。 古今東西あらゆる属性を取りそろえ、抜群の容姿と戦闘力を兼ね備える完璧超人(?)である。 神姫とは。 主人の好機に槍となり、なにより生活に潤いを与えてくれる存在である。 そして鷹峰家の神姫とは…… 『ハーヤーテー!!』 別に東京の朝空に響き渡ってはいないが、ハヤテは少女の声を聞き即座に自分のベッドから飛び起きた。 鷹峰ハヤテは十五歳。職業は高校生……予定。 予定というのは、今は中学校卒業後の高校への準備期間であり、まだ高校生ではないからである。 「……どうしたの、ナギ」 眠たげな眼をこすりながら、ナギの声のするほうを向く。 すると小さな二つの液晶画面に向かっていた少女が、不機嫌そうな顔でこっちを向いた。 『バトルハウスで100連勝できない!!』 彼は苦笑いをしながら、あぁ、と思った。 「朝からゲームですか」 『何度やっても60くらいで止まってしまうのだ。 ハヤテ、もうマルチバトルでもいいから助けてくれ』 「……そうだね、面白そう」 彼はそう言いながら部屋の扉に手をかけた。 「じゃあ、着替えて顔を洗ってくるよ。 そしたら僕も入ってあげる」 神姫とはいえ、少女のいる部屋で着替えるのは抵抗があったのである。 『……わかった、早く済ませろよ』 心の中で「はい、お嬢様」と言いつつ、ハヤテは廊下で着替えを済ませ、洗面台で顔を洗った。 「ただいま」 樫の木でできた扉を、極普通に開ける。 『遅い!「ハヤテ」なら全力疾走で来るところだぞ!』 「いや、階段もあるしそれはちょっと」 ハヤテは3DSを起動しながら言う。 「……それで、どんな作戦で行こうか」 『雨パでいいだろう』 「え? 僕晴れパなんだけど……」 『えー? そうなのか? じゃあ私に合わせろよ』 「えぇ? でも…… うーん……」 『あー、もういい、私はこれで行くぞ!』 「え、え? じゃあ僕もこれで……」 バトルの明暗を分ける2人のパーティの相談しないまま受付を済ませる2人。 だがそのパーティの中身は…… 「あれ、ナギ普通のパーティで行くの?」 『そういうお前も普通のじゃないか』 「それは、ナギに合わせようかと……」 『私もお前に…… おっと、始まってしまったな。 む、相手は初戦から強いのを繰り出してきたぞ……』 「大丈夫、たたみがえしがあるよ……ほらっ」 『おおっ!』 彼女を防御技で守って見せると、少女は感心の声を上げた。 彼女こそがハヤテの神姫であるナギ。ハヤテのごとく!のヒロインである三千院ナギをモデルとしたれっきとした武装神姫の一人である。 「主を守るのは、執事の務め、だよね」 『うむ、これで安心して積めたぞ!』 「よし、じゃあ攻撃だ!」 『うむ! ……当たった! 凄い! やったぞハヤテ!』 協力により、見事強力な相手を倒した二人はお互いに賞賛しあった。 『やっぱり、ゲームは二人でやると楽しいな』 「寝起きでマルチバトルするとは思わなかったけどね、ところで」 『ん?』 「このハヤテのごとく!のノベライズ版一巻プロローグ風のオープニングの流れはいつまで続くの?」 『そうだな、そろそろやめるか』 というわけで、普通の流れに戻ります。 第1話 「ナギのごとく!」 本日4月6日。 あれからもう十日が経とうとしていた。 もちろんあれとは、ナギが鷹峰家に来たあの日である。 「……はぁ、もう明日は学校かぁ……」 『学校?』 「言ってなかったっけ。 明日は高校の入学式なんだ。 だから、明日から学校」 『なんだ、お前ニートじゃなかったのか』 「……違うよ。 っていうか、生徒手帳見せたよね?」 休暇中ニートのような生活をしていたのは確かであるが。 ナギが鷹峰家に来たことも相まって、二人でゲーム三昧な毎日を送っていたのである。 「そうだ、ナギは僕が学校行ってる間どうするの? ……ナギも学校来る?」 『誰がそんなもの行くか。 家でゲームでもしているさ』 (そう来ると思ってた) 原作でも不登校気味で一日中家で漫画とゲームをしておりスーパーインドアライフを全力で満喫しているようなヒロインである。 (連れてけなんて言われたらどうしようかと思ってたけど、余計な心配だった) 「じゃあ、ナギは家で待機ね」 『……ハヤテもサボったらどうだ。 ゲームの続きをしようじゃないか』 「僕は初日から学校をサボれるほど、ナギみたいに神経が図太くないからね」 『む!あれは別にサボったわけではない! ただちょっとその……たどり着けなかったと言うか……なんて言うか……』 「でも登校中に海に行こうとしたり勝手にはぐれて時間を潰そうとしたり……」 ※ハヤテのごとく!4巻参照。 アニメではそのシーンは削られてました。 『うるさい!とにかく私は学校には行かんからな! 一人で一人用のゲームでも漁っているから安心して学校に行ってくるがいい!』 「あはは、はいはい。 さて……じゃあ」 時計を見ると、もう11時50分。 あと10分もすれば4月7日。入学式の日だ。 ちなみに学校が始まるのは8時40分である。 (通学の時間とか計算して……7時くらいに起きればいいかな。 やっぱり最低でも7時間は寝たいから、そろそろ…… でも、やっぱり初日から遅刻は嫌だし、もう少し早く?) 『ハヤテ?』 「とりあえず、アラームをセット……」 ハヤテはスマホを操作し、アラーム機能の画面を開く。 時間を6時にセットし、音量を最大に、ちゃんと設定されたのを確認し、携帯を閉じた。 「それと、明日持っていくものは…… 上履きと、筆記用具に、財布に、携帯電話(スマホ)に…… あと、ゲーム機も……」 復唱しながらバッグに詰めてゆく。 (こんなものかな) 確認を終え、ハヤテは歯を磨きに行くために立ち上がる。 「じゃあ、僕は歯を磨いて寝るよ。 ナギもクレイドルに戻ったら?」 『あぁ、そうだな。 ハヤテが寝るんじゃ仕方ない、私も寝るさ。 ……でも、電気を切るのは戻ってきてからだぞ、いいな』 「わかってるよ」 ナギは一人で眠れない、という部分も再現されているようで、 こういった細かい再現もファンであるハヤテとしては嬉しいところである。 「ただいま」 『おお、戻ってきたか』 そう言ってナギはクレイドルに座り込む。 『それじゃあ、もう寝るぞ』 「そうだね、それじゃあおやすみ、ナギ」 『うむ、おやすみ』 ハヤテはナギがスリープ状態になったのを確認し、そのままベッドに転がりこむ。 (学校か…… ……確かに二人で一日中ゲームしてたいって気持ちはナギと同じなんだけどな) ハヤテはそう思いながら、眠りについた。 次へ